aespaの紅白出場決定がなぜ騒動になっているのか
今回問題視されているのは、2022年、エスパのメンバーであるニンニンが、ファン向けアプリに「きのこ雲」を連想させるランプの写真を投稿していたことがあるからです。

これが、日本にとって非常に重い歴史的背景を持つ「原爆」を連想させるという批判があり、論争を巻き起こしました。
aespaの紅白出場の決定をきっかけに、この投稿内容が再び注目され、「公共の年末歌番組にふさわしいか?」「被爆地への配慮を欠くのではないか」という批判が高まっています。
aespa事務所側の説明は?
過去に投稿された、問題とされたランプ写真などについて、「故意ではない」「意図的ではない」との説明。
問題視されるような、歴史的・政治的メッセージをメンバーが意図したわけではないという確認がとれた。
aespaの紅白出場 オンライン署名サイトで反対意見が急増
aespaの紅白出場をめぐる大きな動きのひとつが、「Change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」で立ち上げられた反対署名です。SNSを中心に拡散され、短期間で大規模な賛同を集めました。
視聴者やネット上での反対運動や署名が大規模に拡大
この投稿の問題を理由に、オンライン署名サイトで「aespaの紅白出場停止を求めます」という請願が始まり、出場反対の賛同が6〜12万人にのぼるなど、かなり多くの人々が声を上げています。
こうした大規模な反対の声が、単なる一部の意見ではなく、エンタメニュースの域を超え、国会で取り上げられるほどの規模になりました。
一部の議員が「公的放送であるNHKの出演基準」「国民感情への配慮」「外部アーティストの選出過程」などを問題視し、紅白歌合戦の在り方そのものが議題として挙がりました。
紅白歌合戦は、多くの日本人にとって年末の定番行事であり、歴史・文化・国民感情と密接な番組です。
そこに「過去に原爆を連想させる投稿」で論争になったアーティストを出演させるかのは「公共放送としてふさわしいか」の議論に繋がりました。
通常、紅白出演者の選考はNHK内部の判断で行われ、国政の場に持ち込まれることはほとんどなく、今回の議論は「異例」です。
署名数の推移
aespaの紅白出場の報道をもとに、署名数の推移を整理すると以下の通りです。
- 11月19日: 約67,000人の賛同
- 11月20日前後: 7〜8万人台に増加
- 11月下旬: 10万人を突破
- 12月3日: 約124,401人に到達
わずか数日〜数週間で10万人規模まで拡大したことはニュースとして大きく取り上げられ、世間でも「大論争」として認知されるようになりました。
aespaの紅白出場の署名が急増している背景の偏り
今回のオンライン署名の大きな数字だけを見ると「日本全体で反対が多い」という印象を受けがちですが、オンライン署名には特有の“偏り”があります。
① 署名者は参加意欲が高い人に偏りやすい
オンライン署名は、基本的に「強い意見を持っている人」が行動することで成立します。
つまり、「賛成でも反対でもない層」や「そもそも気にしていない層」は署名には参加しません。
だから、数字が大きくても「国民全体の意見を代表している」とは限らず、実際には偏った調査対象となる集団によるものだと考えられます。
② SNSによる一時的な拡散の影響が大きい
Twitter(X)や、まとめサイトを通じて拡散されることで、短期間で数字が跳ね上がることがあります。
短時間で数万人が押し寄せるのは、SNSのバズる性質としては自然な現象です。
③ 日本全体の意見を示すデータではない
Change.orgの署名数は、民意や世論調査のデータとは異なり、集団のデータの全体的な傾向を1つの数値で表したものです。
そのため、反対の方が日本で多数派だと断定する材料にはなりません。
現にSNSでは「反対」だけでなく「出演は問題ない」「むしろ楽しみ」という声も多く見られ、ネット世論の意見も二つに分かれています。
aespaの紅白出場 国会・世論・エンタメが交錯する珍しいケース
今回のaespaの紅白出場騒動は、エンタメの枠を超えて社会的議論へと発展した珍しいケースです。
紅白という国民的番組が、政治的背景や公共放送の役割など、複雑なテーマに触れたことで一気に注目が集まり、国会まで議題が広がりました。
日本の紅白歌合戦という長年の伝統行事においても、国際的なアーティストの参加やSNS時代の価値観が影響し、今後も同じような議論が起きる可能性があります。
今回のケースは、その前例となる出来事と言えるでしょう。
BTS(防弾少年団)が過去に日本でのテレビ出演を取りやめに
2018年11月、BTSのメンバーのひとりが、広島への原爆投下を思わせる写真入りのTシャツを過去に着用していたことが問題となりました。
このTシャツは、韓国の植民地支配からの「解放(独立)」を祝う意図を示すデザインとされ、日本国内で「反日的」「原爆の被害を軽視・侮辱している」とする強い批判が起きました。
BTSは、2018年11月の「Music Station」(テレビ朝日)への出演が、Tシャツ問題を理由に直前でキャンセルされました。
日本国内では、テレビ局の判断を支持する声が多く、Tシャツのデザインを問題視する立場が広がりました。
さらに、年末の「NHK紅白歌合戦」をはじめとする複数の日本の年末音楽番組は、BTSへの出演オファーを降ろす、あるいは見送りを決定し、実質的には“出演拒否”の扱いとなりました。
一方、韓国では「表現の自由」「芸術と政治は切り分けるべき」と主張する意見も出ており、「政治的理由で排除された」とする批判が上がりました。
この時は、海外メディアもこの出来事を大きく報道し、「文化・歴史認識を巡る日本国内の感情」「日韓の歴史問題」が改めて注目されるきっかけとなったのです。
aespaは紅白出場できるのか?
2025 aespa LIVE TOUR – SYNK : aeXIS LINE – in JAPAN OSAKA DAY 2
日本アリーナツアー完走!
MY-Jのみなさん、ありがとうございました💜#aespa #æspa #에스파 #エスパ #SYNK_aeXISLINE #aespa_SYNK_aeXISLINE #aespa_SYNK_aeXISLINEinJAPAN pic.twitter.com/lFe2g2dluV— aespa JAPAN OFFICIAL (@aespaJPofficial) November 27, 2025
紅白紅白歌合戦という大舞台を前に、思いがけない形で注目を集めたaespa。
現時点では、aespa(エスパ)のNHK紅白歌合戦への最終的な出場の可否は、公式には確定情報が出ていないのでどうなるかは未定のようです。
紅白紅白歌合戦は、公共放送+国民的行事という性質上から、世論や国民感情、歴史認識などの観点から慎重な判断が求められます。
aespaはすでに出場者として発表されてしまっていますが、このまま批判が急増すると、過去のBTSの様に見送りや辞退になる可能性も考えられます。
しかし、逆に批判が沈静化してくれば、予定通りの出場も十分にあり得るでしょう。
今回の騒動はファンにとっては心がざわつくものでしたが、エスパの音楽やステージが素晴らしいことに変わりはありません。
既に、日本で高い支持を受け人気を獲得しているaespaの紅白歌合戦への出場を楽しみにしているファンは多いはずです。
過去に起きたBTS問題のような結果にならないよう、たくさんの議論を超えて、NHK紅白歌合戦でのaespaのパフォーマンスを期待したいです。
今回のaespa紅白歌合戦議論は、エンタメと政治、ネットの声が複雑に絡み合う「SNS時代の現象」として記録される出来事になりました。
今後、紅白歌合戦だけでなく、他の文化イベントにおいても同様の議論が起こる可能性が高く、その意味でも重要な話題だと言えるでしょう。

